ようやくゆっくり旧市街を観光しようと決めていたその日、エルサレム旧市街で有事発生!
旧市街は周囲を含め、警察によりバリケードで封鎖されました。
この記事では、有事の際の街の様子、そして事情を知らない私がとった行動をお伝えします。
2017年7月14日午後の行動
2017年7月14日(金) シャバットのこの日は午前中にバスでイスラエル博物館へ行き、ホテルに戻ってきました。
昼からは、この旅でようやくしっかり旧市街観光を行います。
結局何も調べずにこの日を迎えてしまったので、SANDEMANs new JERUSALEM FREE TOUR の旧市街フリーツアーに参加する事にします。
私が行った時は、事前申し込み不要で、Jaffa Gate前に14時集合。
ちょっとホテルでゆっくりし過ぎたけど、まだ間に合う時間です。
時短の為、Damascus Gateから城壁内をショートカットしてJaffa Gateへ出るつもりで向かいました。
城壁へ向かう道はバリケード封鎖
ホテルから城壁沿いの道へ出ようとすると、少し手前でバリケードが張られていました。
アラブ人が(ここは東エルサレムなので)30-40人位集まっていて、何人かは列に並んでいます。
時間がないので、列に並ばず近くの警官に声をかけます。
城壁内に行きたいの!急いでるの!!
列に並べ!
仕方ないので、列に並んで順番を待ったけど、どうやら誰もバリケードを越えて中には入れていません。
少し前に並んでいた他国の撮影クルー陣も追い返されていました。
私の順番になり、パスポートを渡して伝えます。
城壁内を観光しに来たの。
ひとしきり私のパスポートを精査して、一言。
入れない!
どうして?
誰も入れない。
いつ入れる?
分からない。
待ってたら入れる?
今日は入れない!
はぁぁ?!冗談じゃないわよ!何の理由があってこんな事になってるのよ!!
最初、この封鎖は金曜日だしムスリム系に対するイスラエル側による【管理】という名目の嫌がらせと思っていました。
普段より大きめの【管理】行動が、偶然私の滞在中に起こり巻き込まれた、と嘆いたけど、ノンムスリム観光客の私は問題無く通して貰えると思っていました。
なのに、予想外の結果。弾かれるとは…。
14時までにJaffa Gateに行かなきゃ、1人では旧市街観光できないのよ!
かなり焦り、少しパニックになりながら、私以外で唯一の外国人、さっき見かけた撮影クルー陣に聞いてみました。
ねぇ、本当に入れないの?私、今から旧市街を観光するのに。本当にどこからも入れない?
すると、クルーの中でマイクを片手に忙しそうに動いてたメイクばっちりな美人女性、恐らくリポーターだと思う人が、教えてくれました。
ここは無理だけど、Jaffa Gateなら入れるかもしれない。確信はないけど、さっきそう聞いたから。
ホント!有難う!!行ってみるわ!
有難い情報です。警官達は誰も何も教えてくれないから。
確信は無いけど、可能性があるのなら向かってみます。
この原因は、今朝起こった旧市街での有事
ここで、何故こんな事になっているのかを先にお伝えします。
今朝、私がイスラエル博物館に行っていた間、旧市街とその周囲はこんな事になっていたそうです。
ここは、ダマスカス門でしょうか…。
その理由は…
今朝、2017年7月14日(金) 朝7時頃に、イスラエル国籍を持つパレスチナ人のテロリスト3名が、St. Stephens Gate (Lions’ Gate)の入口にバイクで乗り付け、イスラエル警官を至近距離で銃撃し2名に重傷を負わせて逃走。
その後、逃走したテロリストはTemple Mount(Al-Aqsa compound)の入口Bab Al Huttahで、イスラエル兵?警察?により3名とも射殺されたそうです。
後に、テロリストに銃撃された警官2名も病院で死亡した、と発表されました。
朝7時と言えば、私がホテルのテラスで朝食を楽しんでいた頃です。
徒歩14分程の場所で起きた発砲事件。
こんな身近で事件が起きていたなんて、想像もしていませんでした。
ここは、Al-Aqsa compound(岩のドームがある神殿の丘)でしょうか。
犯人がこの方向に逃げ込んだので、イスラエル警察により封鎖されました。
そんな事が今朝起こっていたなんて、想像もできず…。
どういうワケか、バリケード封鎖し、警備しているどの警官も、観光客である私にこんな事が起こったと説明してくれないのです。
でも、どこでどうやって、いつ知ったのかは忘れたけど、この後城壁内でツアーに参加して、ガイドが今朝起こった事件の説明をする前に、事件の事はなんとなく知っていたと記憶しています。
ただ、この物々しさには驚きました。
これを先に観ていたら、旧市街観光は無理ってあきらめていたと思う…。
でも、こんな大事になっているなんて知らなかったから、唯一旧市街へ入れる門と聞いたJaffa Gateへ急いで向かいます。
Jaffa Gateへ向かう道中は穏やか
あちらの撮影クルーはバリケードの外から撮影しています。
ドイツのTV会社だそうです。
集まっていたアラブ人から、インタビューに答えて貰おうと交渉していました。
因みに、この時はまだ「東エルサレム在住のムスリムに対する嫌がらせ」と思っているので、アラブ人からインタビューを取ろうとしているのも納得だ、と思っています。
ここは、Herod’s Gate。
もちろん、封鎖されています。
人が集まっている所は、若干の物々しさがあるけど、この様に人が集まっていない所では、穏やかな雰囲気です。
この警察車両にいた警官に、封鎖している理由を聞いてみました。
英語を話せる人を奥から連れてきてくれたけど
分からない、封鎖して警備する様に命令された。
との事で理由は分からず。でも、
せっかくキミが観光に来たのに、こんな事になって残念だ。
と言ってくれました。
この人に詰め寄って困らせても仕方ないです。
最後にJaffa Gateから入れるか一応確認すると、
YES (入れる)
ならば、先を急ぎます。
この辺りから、城壁沿いを歩ける様になりました。
ムスリム地区ではなくなったからかな?
この頃は、炎天下で坂道を登っているのでくたくた。
さっき見たバリケードの光景とか、頭から吹っ飛んでました。
そこへ、黒ラブを散歩させる現地の人。なんてのどかな光景。
犬好きの私は、放っておけません。
声をかけて、しばらく一緒に散歩しました。
Jaffa Gateは開いているのか?!
バリケードで足止めをくらい、黒ラブさんとお散歩なんかして、かなり時間が押しています。
何も知らない私は、「ツアーに参加できるか」それだけが心配で一生懸命歩いています。
え~Jaffa Gate閉まってる!
でも、こんなに多くの観光客が普通に歩いています。
先に何かあるはず。
私も先を目指して歩きます。
すると、Jaffa Gateを越えた所で、警察の臨時検問所が設置されていて、観光客だけは入れる事になっていました。
私もパスポートチェックを受けて、無事旧市街へ入れました。
入口はこの様に、観光客でにぎわっています。
時間は?…14:20でした。
20分遅かった…。流石にもうツアーグループっぽい集団は居ません。
金曜日なので、information centerも開いていません。
どうする事もできないので、適当に歩いてみる事にします。
とりあえず、人が居そうな所に向かってみます。
お店なんかにも入ってみました。
少し歩くと、誰も居なくなりました。
看板は出ているけど、何処に向かえばいいのか全く分かりません。
お手上げです。
諦めかけた時、思いつきました。
集合時間が、14時。
でも14時丁度に出発する事はないでしょう。
という事は、ツアーが開始されてからまだ少ししか経っていないハズ。
この近くに居るのでは?探せば見つけられるかも…。
この続きは、次の記事でお伝えします。
有事の際、情報収集は手あたり次第!
この記事を執筆している2023年11月現在、奇しくもイスラエル・ハマスによる衝突(戦争)が起きて1か月が経過しています。
外務省の「たびレジ」には自分の旅程を事細かに登録していたけど、外務省からもイスラエル大使館/領事館からも、メール1通届きませんでした。
特にこれらの機関が動く必要がない程度の、一般有事だった、という事なのでしょう。
それでも、観光客の私は多大なる影響を受けました。
ホテルから城壁へ抜ける道にあった最初のバリケードで、警官に通して貰えなかった時、諦めてしまっていたら、旧市街観光に充てていた貴重な半日を無駄にしてしまう所でした。
日本人旅行者の中には苦手な方もいらっしゃるでしょうが、本当に困ったら手当たり次第、色んな人に声を掛けて情報を集めて回る事が重要です。
情報は、与えて貰えるものではなく、掴んで手に入れるもの、という事を今回痛感しました。
ここまでお付き合い頂き、有難うございました!