かねてから気になっていながら後回しにしていた【冷蔵庫の耐震】。今回思い切って道具を取り寄せてチャレンジしました。
初めてDIYにトライ!
冷蔵庫の耐震方法
一般的に家具・家電の耐震には、大きく分けて3種類の方法があります。
- 耐震ベルト
- 突っ張り棒
- 耐震ジェル・耐震マット
耐震ベルトは、壁と家具をベルトで繋いで固定します。
突っ張り棒は、家具と天井を突っ張って固定します。
耐震ジェル・耐震マットは、家具と床or壁の間に耐震・耐衝撃のジェルやマットをかませて揺れを吸収します。
最初、一番簡単そうな突っ張り棒タイプのものを設置するつもりでした。
しかし、冷蔵庫の耐震方法をネットで調べると、かなりの重量がある冷蔵庫は、突っ張り棒では支えきれない(天井の強度も対応していない)事が分かりました。
一般的に、冷蔵庫等の大型で重量のあるものは、耐震ベルトで固定する方法を取る様です。
首相官邸ホームページの防災特集のページ でも、「裏側をワイヤーなどで壁に固定する」と記載されていました。
なので、耐震ベルトを採用する事にしました。
その耐震ベルトにも種類があります。
基本的には、キッチンの壁にネジで金具を固定して、ロープで冷蔵庫と金具を繋ぐというものです。
しかし、賃貸で壁に穴を開けられない場合は、粘着テープ(ゲル)でしっかり固定するものも販売されていました。
今回私は、壁に穴をあけて固定するタイプの耐震ベルトをチョイスしました。
道具・材料調達
壁の中の柱を見つける為に
壁に金具を取り付けるには、壁の中の柱にしっかりビスを打ち込む必要があります。
石膏ボードだけの部分に金具を取り付けても、強度は全く足りないので意味がありません。
石膏ボードの奥にある柱の位置を探す為の道具が必要です。
- 下地センサー
- 下地探し どこ太
下地センサーは、壁をスキャンして柱の位置を光や音で知らせてくれるものです。
センサーで柱の場所を特定したら、実際に針を刺してより精密に柱の位置を確認します。この道具が【下地探し どこ太】です。
![](https://kendog-blog.com/wp-content/uploads/2022/06/stick.png)
まず、【どこ太】だけを購入して柱の位置を探してみる事にしました。
もし、探しきれなければ【下地センサー】を追加購入するつもりです。
耐震ベルトキット
使用冷蔵庫:SHARP社製 SJ-XF 44S
![](https://kendog-blog.com/wp-content/uploads/2022/06/refrigerator.png)
この冷蔵庫、2009年販売開始の商品で、ウチに来たのは2010年でした。
えっ?既に使用期間12年目突入だったの!調子よく頑張ってくれてるね。
金具・ビス・ベルトをホームセンターで揃えると、かなり価格を抑えて材料を揃えられると思うけど、全くの素人なのでハードルが高いです。
冷蔵庫の取説を読んでみると、ちゃんと固定方法も紹介されていて、そのための商品も別売品として載っていました。
![](https://kendog-blog.com/wp-content/uploads/2022/06/the-way.png)
なるほど!冷蔵庫の後ろにバンドを固定する部分があるのね。
冷蔵庫の後ろを確認してみました。
すると、固定部分は確認できたけど、プラスチック製でした。
![](https://kendog-blog.com/wp-content/uploads/2022/06/back.png)
ちゃちな造りではないけど、プラスチックの経年劣化で脆くなってない?
なんせ、誕生して12年程経っています。耐震ベルトで固定しても、このプラスチックが重量に耐えられなければ、意味はありません。
そこで、SHARPに問合せてみました。
0120-078-178
月-土 9:00~18:00 日・祝 9:00~17:00
冷蔵庫の耐震方法を質問すると、やはり取説に載ってる方法を紹介してくれました。
プラスチック部分の経年劣化懸念について質問したのだけど、そのオペレーターもはっきり「大丈夫です」とは言えませんでした。
そりゃ、そうですよね。
しまいには、「新規ご購入を考慮されてもよろしいのでは…」と提案されました。
古い冷蔵庫とは言え、調子よく動いているのに、耐震処理に使うパーツの強度が心配だから買い替える、なんて事は流石にないよね!
経年劣化はあるでしょう。でも、耐震対応しないよりはマシでしょう。
この意見は、オペレーターさんと一致しました。
という事で、SHARP純正の【転倒防止用ベルト】を購入する事にしました。
![](https://kendog-blog.com/wp-content/uploads/2022/06/PRICE.jpg)
送料無料のヨドバシドットコムでオーダーしたら、メーカー取り寄せにも拘わらず、2-3日で届きました。
さすがヨドバシさん、いつも仕事が早い!有難う!!
![](https://kendog-blog.com/wp-content/uploads/2022/06/material.jpg)
実際の作業工程
冷蔵庫を動かします
冷蔵庫みたいな大きな家電、女性が一人で動かせるのか心配になりませんか?
ただやみくもに全身の力を込めて動かそうとしても、ビクともしません。
でも大丈夫!
日本の家電はホントにちゃんと考えているし、取説にも親切に説明されています。
取説通りに作業を始めます。
① 冷蔵庫下のベースカバーを取り外します。引っ張れば簡単に取れました。
![](https://kendog-blog.com/wp-content/uploads/2022/06/bottom.png)
② 左右の調整脚を回して浮かせます。
![](https://kendog-blog.com/wp-content/uploads/2022/06/bottom-zoom.png)
こうする事で、左右の調整脚の後ろにある車輪が接地し、女性でも簡単に動かせる様になります。
冷蔵庫を前に出してみたら、とんでもない光景を目にする事になります。
ぎゃぁぁぁ~~~
衝撃の事実です。
冷蔵庫を移動させたそこに広がっていた光景
- 床は油にまみれた埃が堆積して真っ黒でした。
- 壁にまで埃や油汚れが付いていました。
- 冷蔵庫右下の空気吸い込み口には、埃でできた厚み1cm位の毛布みたいなのがこびりついていました。
まず、掃除機で据えるだけの埃を取り除きました。
空気吸い込み口の埃は、掃除機でキレイに取れたので安心しました。
こんなに溜まっていて、よく故障しなかったものです。
床や壁の油汚れは、台所用洗剤を使って擦り取りました。
キレイになった冷蔵庫裏がこちらです。見てやって下さい。
![](https://kendog-blog.com/wp-content/uploads/2022/06/back-yard.png)
柱の位置を探します
冷蔵庫の後ろに脚立を立てて、金具を取り付ける位置を決めます。
今回私は、家の設計図を参考にして柱の位置に辺りをつけて、【下地探し どこ太】で確認しました。
この【どこ太】、皆さん絶賛されていましたが、本当に使い易いです。
石膏ボードだけの部位なら針が抵抗なく全部入って行くし、柱のある部位なら少ししか入りません。
ウチの場合は、柱がある所では針が15mm位の所で止まります。
釘などの金属がある部分では、先端の磁石がくっつくので釘の場所も分かります。
壁をノックする様に叩くと、柱がある部位は固い(高い)音がして、石膏ボードだけの部位は鈍い(低い)音がしますので、参考になります。
柱の位置って、希望する場所にあるワケではないんです。
左側には、設計図が示す通り幅10cm位の柱がありました。設計図によるとこの柱は105x105mmの柱らしいです。金具取付に問題ありません。
しかし、右側の金具を取り付けられる柱は、設計図によると冷蔵庫からかなり離れてしまい、隣に置いているキッチンボードの後ろになってしまいます。
それじゃ、ちょっと困るなぁ…
他に柱が無いか「ノック音」と「どこ太」を駆使して探すと、丁度冷蔵庫真裏に細い柱を見つけました。
![](https://kendog-blog.com/wp-content/uploads/2022/06/wall-mark.jpg)
左側には金具を横向きに取り付け、右側には縦に取り付ける様に鉛筆で印をつけました。
金具の取付 その前に問題解決
SHARPさん、ビスの長さに問題あります!
SHAPRから取り寄せた純正【転倒防止用ベルト】は、6本のビスを使用して2つの金具を壁に固定する仕様になっています。
素直にそのビスを使って金具を固定してみましたが、全く固定になりません。
だって送られてきたビスは、長さ2cm未満の短いものだから、石膏ボードまでしか届いていません。
使えないじゃん!!
仕方ないので、ホームセンターでビスを買ってくる事にしました。
しかし、これが大変で…
元から入っていたビスは長さ2cmに満たないナベビス。
金具の穴は3mm以上4mm未満。4mm径のビスは入りませんでした。
3.5mm径のナベビスで長いものを探したのだけ、そういう規格の商品自体が存在しません。
合計3名の店員さんが取り寄せを含めて色々手を尽くして下さったけど、希望するビスは無かったので、結局この商品を購入しました。
![](https://kendog-blog.com/wp-content/uploads/2022/06/screw.png)
ステンレス製のスリムビス 径3.3mmの皿ビス 長さ50mmです。
ナベビスは、金具との接地面がフラットなので、隙間ができません。
皿ビスだと、金具との接地面が漏斗型になっているので、隙間ができて見た目が悪いとの事だけど、皿ビスだから強度が落ちるワケではないそうです。
見た目はこの際いいでしょう。
径が細くて心配だけど、3.5mmの皿ビス3cmならあったけど、柱にしっかり打ち込みたいので、この商品を選びました。
一生懸命対応して下さったホームセンター店員の皆様、
本当に有難うございました。
かなりの時間を要したけど、長いビスを手に入れ、作業再開です。
HELP!柱の奥行が分からない
しかし、ここで一つ疑問。
設計図に記載されていない、幅の狭い柱の奥行ってどのくらいあるのかなぁ?
長さ5cmのビスを打ち込んで、もし柱を貫通して断熱材に穴を開けると湿気てしまってカビが生えたり、大事になってしまうのでは…
心配になり、ウチを設計・建築してくれた会社に問合せてみました。
冷蔵庫の耐震ベルトを取り付けるのに、柱を探しています。
設計図に載っていない場所に幅の狭い板か柱があるみたいなのだけど、これは何ですか?
それは間柱だね。間柱はその尺度の設計図には載せないから。
柱のサイズは幅27mm、奥行105mm。
幅3cmも無いんだ。確かに幅せまかったもんね。
奥行10cmあるんだったら、5cmのビスを打つのは大丈夫ですよね。
幅が狭いけど、金具取り付けられる?
ビスは真直ぐ打てば5cmでも大丈夫。
【どこ太】調査で、幅が狭い事は分かっていたので、元より金具を縦にして取り付ける段取りでしたので、問題ありません。
ついでに、もしビスが貫通してしまって断熱材に穴を開けるとどうなるのか聞いてみました。
穴を開けるのは良くないけど、2-3mm程度のビスなら大差ないだろう。
どこ太の針みたいに細いものは、問題ないよ!
有難うございます。
これで安心して作業できます!
電動ドリルなし 完全手作業で金具を取り付けます
![](https://kendog-blog.com/wp-content/uploads/2022/06/new-screws.png)
ビスの比較
左は購入したビス、右はSHARP純正のビス、こんなに長さが違います。
せめて金具の穴があと少しだけでも大きければ、ビスの選択肢が広がったのだけど…
気を取り直して、作業再開。
金具取付部の印を目安に、まずはキリで穴を開けてビスを入れやすくします。
その後は、大きなプラスドライバーで体重をかけながらビスを回していきます。
6本のビスを手動で取り付けるのは、地味に大変でした。
特に左側は壁があって狭いので、思う様に力を伝えられず、苦労しました。
![](https://kendog-blog.com/wp-content/uploads/2022/06/set-done.png)
左は横向きに、右側は柱の幅が狭いので縦向きに取り付けました。
冷蔵庫側にもバンドを取り付け、壁の金具と繋げます
![](https://kendog-blog.com/wp-content/uploads/2022/06/refrigerator-and-lope.png)
取説によると、もう一方の金具付きバンドは、下からバンドを通すだけです。
金具が留め金の役割をします。
でも、こうする方が力が分散して一か所に力が掛からないのではと思います。
![](https://kendog-blog.com/wp-content/uploads/2022/06/tight-lope.png)
同じことを左右2ケ所に行います。
ここで1つ発見!
何故にバンドが無駄に長いのか、と思っていたのだけど、理由はこれです。
壁の金具に冷蔵庫側のバンドを取り付けるには、冷蔵庫と壁の間に人が入る必要があるので、空間が必要です。
実際には、壁と冷蔵庫の間に脚立を立てて、上に登って作業しました。
この状態でバンドを取り付けるには、長さが必要なんです。
無駄に長いワケではありません。
![](https://kendog-blog.com/wp-content/uploads/2022/06/set-lope.png)
2本のバンドを壁の金具と繋げました。
この状態で、冷蔵庫を元の位置に戻します。
最後にバンドを引いて冷蔵庫と壁にたわみが無い様に締めます。
![](https://kendog-blog.com/wp-content/uploads/2022/06/pulled.png)
余ったバンドを、プラスチック部分に巻き付けておきます。
![](https://kendog-blog.com/wp-content/uploads/2022/06/befor-finish.png)
反対側もくるくる巻き付けて、完成!
![](https://kendog-blog.com/wp-content/uploads/2022/06/finish.png)
まとめ
DIYド素人の女性が一人で、大型家電の冷蔵庫の耐震処置を行いました。
冷蔵庫メーカー純正の【耐震バンド】と、壁の内側にある柱を探す道具【下地探し どこ太】を取り寄せて、作業開始です。
力に任せて動かそうとしてもビクともしない冷蔵庫を動かす方法は、冷蔵庫の取説にちゃんと載っています。
冷蔵庫を動かしてみると、そこは埃と油で地獄絵状態!
掃除機で埃を吸い取って、台所用洗剤で油汚れを拭き取りました。
壁内側の柱の位置は、家の設計図を参考にしながら、【どこ太】で正確な柱の位置を確認して、金具取付位置を決定。
SHARP純正の耐震バンドキット付属のビスは、長さが全く足りないから、ホームセンターで50mm長のビスを別途購入。
設計図に載せられていない間柱の奥行を、建築業者に問合せて問題無い事を確認。
キリとドライバーを使って、完全手動で柱にビス打ちし、金具を取り付けました。
冷蔵庫側にもバンドを取り付け、最後に双方のベルトを繋げて作業終了!
色々あったけど、長い間気になっていた冷蔵庫の耐震対応ができて、一安心です。
次は、隣のキッチンボードの耐震対応が待っています。
ここまでお付き合い頂き、有難うございました!