エルサレムからのday tourでヘブロンに来ています。
前半はH2住人のアラブ人ガイドによるヘブロン旧市街観光とヘビーなディスカッションでした。
ここで復習。
- H1:パレスチナ系住民のみが住む完全自治区域
- H2:ユダヤ系とパレスチナ系が住む地域で、イスラエルが支配する区域
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ヘブロンの土地の多くはH1となっていますが、□で囲まれた3大宗教の祖の墓があるヘブロンの中心地は、不自然にH2となっていて、パレスチナ人の行動が規制されています。
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この地図で示されている薄い茶色のエリアは、Closed Shops。
ユダヤ人入植により、営業していた店を閉店させられ、居住地を去る事となったエリアです。
ヘブロンの中心地は、ゴースト化してしまっています。
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歩いていると、このサインをよく見かけました。
ランチタイム
ユダヤ人ガイド編といいながら、まだアラブ人ガイドがアテンド中です。
ツアー開始時に、ランチ希望者を募っていました。
ランチは別途NIS30。妥当な料金なので、私は申し込みました。
ほとんどの人は申し込んでいたけど、2-3名は要らない、と言っていました。
でも、ツアー中はそんな選択無く、自動的に全員アラブ人ガイドの家に連れて来られました。
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壁に沿ってソファーを並べて、ツアーゲスト計23名がなんとか座れています。
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ヨーグルト、サラダ、ピラフみたいなの、この後グリルチキンが出てきました。
お母さんの手作りで、美味しかったです。
ただ、何が出てくるか分からなかったので、メインのチキンが出てきた頃にはお腹が膨れていて、あまり食べられなかったのが残念です。
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この店の2階で食べていましたが、最後にお母さんにお礼を言って出てくる様に言われました。
支払いは店の前で行います。
23名からガイドが料金を徴収します。
部屋の中で徴収したらいいのに、そうせずにわざわざ外でするのは、家族に見せたくない理由があるのでしょう。
みんながぴったりの現金を持っているワケでなく、ドルやユーロで支払う人も居ました。
わやくちゃになるの、分かり切っていますよね。
私はNIS50札を渡すと、「お釣りない、いいだろ!」と言われました。
それが狙いなのでしょう。
冗談じゃない!
何も言わなければそのまま持っていかれれるから、他のゲストがNIS30を支払うのを待って、すかさず「それ、私のお釣りね!」とNIS20を受け取りました。
気を抜けません。
ユダヤ人ガイドと交代
昼食後は、アラブ人ガイドから、朝ホステルからヘブロンまで引率してくれたユダヤ人ガイドに交代です。
ここからは、主にユダヤ教がらみの施設を訪れます。
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ghost化した街で、生活感がある窓が描かれている所が空しいです。
Avraham Avinu Synagogue
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まず、ユダヤ教のシナゴーグに連れて来られました。
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ガイドが扉をあけて、羊皮で書かれた経典を見せてくれました。
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こんな大事なものだけど、観光客の為に素手で普通に開閉するなんて、凄いなぁ。
死海経典も羊皮に書かれています。
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扉を閉めています。
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シナゴーグの入口。
シンプルで質素です。
入口の上に掲げられているのは、この施設の看板ではなく、このシナゴーグ近くでパレスチナ人によるテロによって殺された人の氏名とその時の様子が記載されています。
この様な看板は、街中で結構見かけました。
全てパレスチナ人によるユダヤ人虐殺の事件について書かれています。
直近では、居住していたパレスチナ人をユダヤ人が入植して追い出している様に見えますが、数世代前ではパレスチナ人によるユダヤ人刺殺が行われていたという、なかなか根が深い問題です。
ヘブロンの中のイスラエル
旧市街の不自然なH2とは異なり、こちらのH2はパレスチナの中にありながら、イスラエルをとても感じます。
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公園のカラフルさ、イスラエルカラーのスカイブルーとホワイト。
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写真右端に監視塔があります。
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ここはH2、イスラエル管理の地区ですが、パレスチナ人も居住できる、事になっています。
でもこの様に、サインはヘブライ語と英語のみ。アラブ語はありません。
この事が、この地域の現実を物語っています。
ゴースト化の現実
この街並みが、ヘブロンのゴースト化を象徴しています。
ユダヤ人ガイドが解説しています。
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全ての入口に鍵がかけられています。
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バルコニーは鉄格子で囲われています。
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イスラエル国旗が、「イスラエル管理」を主張しています。
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こちらもゴースト化しています。
イスラムカラーのグリーンなので、ムスリムが住んでいたのでしょう。
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この日は水曜日、決して休日ではないのです。
Heritage Center
ヘリテージセンターの前には、チェックポイントではないけど警備がなされています。
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今までずっと外を歩いていたので、建物の中に入るのは有難いです。
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どういう意味の部屋かは分からないけど、クーラーが効いていて快適です。
若干熱射病っぽかったので、助かります。
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小麦と大麦とブドウとイチジクとザクロの土地、オリーブの木とはちみつの土地
経典の一説でしょうか。
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奥の部屋へ全員集められ、椅子で円陣を組んで、今度はユダヤ人からのお話です。
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自分達の土地に住んでいただけなのに、ムスリムによって嫌がらせや虐殺まで行われ、祖父が犠牲になった、と涙ながらに話を続けています。
始めの10分程は真剣に聞いていました。
しかし、頭痛と疲れとクーラーの快適さで眠さ極限です。
久しぶりに学生時代の授業中を思い出しました。
ヘブロンの街を見渡すと…
ヘリテージセンターを出て、暫く歩きます。
次の目的地はHebron Observatory。
ルーフトップからヘブロンの街を見渡す事ができます。
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街並みはこんな感じ。
建物が密集していますが、どれも土レンガ色で低い建物ばかりです。
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少し視線を移すと、この景色。
鉄筋コンクリートの建物で、比較的近代的な建物が多いです。
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こうして観ると、違いは一目瞭然です。
中央の背が低いエリアがムスリムが住むエリアで、周囲の白いコンクリート建物が入植してきたユダヤ人が住むエリアとなっています。
ヘブロンの日常
更に住宅街を歩き、ついには家もない原っぱの様な所をガイドはどんどん進んでいきます。
そして、ここが目的地。
Abraham’s Spring
Adam & Eve や Abraham & Sarahの時代から利用されていた、ずっと湧き続けている泉だそうです。
実際の泉というか井戸というか…はこの階段の下です。
暑い日だったので、近所の子供達が沢山遊びに来ていました。
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Abraham’s Springの原っぱを抜け、更にゴースト化した住宅地のトタン壁にこんな絵が描かれていました。
これは、チキンを色んな種類のユダヤ人に見立ててアニメにしたものです。
ユダヤ人の彼も、良く書かれていると1羽ずつ説明してくれました。
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大勢が集まっていました。結婚式の様です。
しばらく待っていたのですが、主役登場とはなりませんでした。
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Tomb of the Patriarchs マクペラの洞穴
そして、ここに戻ってきました。
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Tomb of the Patriarchs マクペラの洞穴です。
ここでガイドが
「バスが来るまで後15分。ユダヤ教側を観に行きたかったら行ってもいいけど、check pointを通る必要があるので、止められるとバスの時間に間に合うか分からないし、中に入れる保証もできない。それでも行きたければ行っていいよ。」と。
もちろん、行かないワケありません。
ツアー参加者の内、1/3位が一気に走り出しました。
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一人ではトラブルになった時に困るので、ダッシュして一人の男性に追いつき「あなたに付いて行くから、一緒に連れて行って。」とお願いした。
その人も「いいよ、バスに遅れるのイヤだもんね。」と返してくれた。
それを聞いていた他の人も結局一緒、一塊になってチェックポイントへ突入。
当然、兵士は一度に走ってきた私達に停まる様に命令します。
どこから来たのか、誰と一緒なのか色々聞いていたけど、各々自分の国名を言い、みんな同じグループでツアーで来ている、と焦っている感をアピールしながら言うと、そのまま通してくれた。
一緒に行ってよかった。
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H2、しかもユダヤ教側の入口付近で、アラブ人による撮影が始まる様です。
じっくり観ていたかったけど、なんせ時間がありません。
走りながら撮った写真。
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ムスリムカラーの衝立。
これ以上奥には、ユダヤ教徒を入れない様にしています。
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マクペラの洞穴、ユダヤ教サイドです。
こちらでは、男性がみんなキッパを被る必要があります。
女性は、常識的な服装ならそのままOKです。
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ゆっくり観ていきたい所だけど、先を急ぎます。
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こちらも、イスラム教徒によってバリケード設置されています。
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趣の違う部屋がいくつかあります。
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こちらでは、Ultra Orthodoxが歩きながら、そして頭を揺らしながら経典を音読しています。
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ここは、一際趣が異なります。
イスラミックのストライプとイスラミックカラーのグリーン。
でも、ユダヤ教から派生したイスラム教なので、源は同じ。
こういう事もあるのでしょう。
イスラム教側に比べると、ユダヤ教側は少し手狭であった印象です。(但し、私が観た範囲ですが。)
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時間がありません。
上からイスラエル兵に監視されている感をひしひしと感じながら、急いで戻ります。
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さっきの撮影、正に本番中って所でした。
私は写り込まない様に気を使って端を通っています。
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状況はこんな感じ。
イスラエル兵がつきっきりです。
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17:50発のバスに、みんな遅れずに乗れました。NIS8.1
発駅なので、ちゃんと座れました。
19:15着予定が、約30分遅れてJerusarem CBSへ到着。
くたくたになったけど、ツアーメンバーにも恵まれて、とても充実した1日でした。
ただ、勉強不足!ツアーの間はどこへ連れていかれているのか、あまり分からずついて行ってただけ。
旅行記を書くのに、色々調べてようやくヘブロンの一部が分かった気がします。
是非、もう一度行って、今度は私も一杯質問したい!
ここまでお付き合い頂き、有難うございました!