海外旅行にはトラブルがつきものです。
これらを楽しむ位の心の余裕は欲しいものですが、実際トラブルに遭っている場面では、対処に必死です。
私も海外で様々なトラブルに遭遇し、そこから多くを学びました。
結論から申し上げます。
トラブルは、多くの場合自分の行動で避けることができます。
- 用も無く付きまとう人には、ハッキリ “NO” と言う
- 疲れている素振り(スキ)を見せない
- 暗い所(見通しが悪い所)=危険な所 と自覚して行動する
- 写真撮影を求める人には注意
- 近付いてくるタクシーには、絶対に乗らない
- タクシーメーターがおかしければ、動画を撮っておく
- ロストラゲッジの際は、早々に見切りを付けてカウンターに向かう
この記事では、私が遭遇したトラブルの
- 実例
- どの様に対処したのか
- 結果どうなったのか
- 今後そのトラブルを回避する為には
これらの項目についてまとめています。
街中でのトラブル
近付いて付きまとう人は相手にしない
観光中、タクシードライバーやツアー販売員等にやたらと付きまとわれる事もあると思います。
女性なら、街中を歩いていて愛想の良い男性に声をかけられ、付きまとわれる事も珍しくないと思います。
近付いてくる人は、高確率でカモを狙ってる輩と思って間違いありません。
用も無いのに人に付きまとわれたら、以下の事を頭の片隅に入れて応対して下さい。
毅然とした態度
笑顔は不要。罪悪感も不要。
必要なのは、ハッキリ”No”と言える図太い神経
へらへらどっちつかずの返事を繰り返していると、いつの間にか相手のペースに飲み込まれてしまいます。
どんな時も、自分のペースが崩されない様に意識しておいて下さい。
女性の一人旅では、既婚者子持ちアピールもお勧めです。
薬指にシンプルリング(安物でOK!)
スマホに子供の写真を適当に用意しておく
会話の中に「my dear(husband)」や「my sweet kids」を多用する
これだけで、煩わしい思いをする事無く過ごせる事が何度もありました。
ここで一つ注意!
誤解しないで下さい。
現地の人を信用するな、と言っているのではありません。
自分が困った時に自分から声を掛けた人に道を聞いたり、バス停を教えて貰ったりすると、ほぼ100%の確率で、とても親切に助けて貰えています。
基本的にどこの国でも、普通に生活している(多くの悪意の無い)人は、困っている旅人に対して親切です。
旅行者にしつこく声をかけて、付きまとわない
これを覚えておくと、困った時に誰を頼るべきか、頼らないべきかの判断材料になります。
スリのターゲット
モロッコ シェフシャウエンの地元の人が利用する洗濯場で、ムスリム衣装っぽいものを着た流暢な英語を話す若い女性二人組に声をかけられました。
一緒に写真を撮って!
二人の写真を撮ってと頼まれていると思ったのだけど、そうではなく私と一緒に撮りたいとの事。
私と一緒に?!(珍しいな…)
別にいいよ。
多少の違和感を感じつつも撮影に応じると、私と並んでる子は、ぴったり体をくっつけてきます。
そしてカメラを操作している子は、カメラの調子がおかしい様子で、なかなかシャッターを押しません。
暫くして撮影が終了。
今度は私のカメラで撮って!
えっ…
ん~そうね、okey。
私のカメラを渡すと、一瞬怪訝な顔をしたけど、応じてくれました。
再び密着して、同様に暫く時間をかけてからシャッターを押しました。
We’ve got Japanease…, too!
hu, hu, hu…
カメラを受け取り、二人と別れた瞬間、その二人はクスクス笑いながら、「にほんの…」と小声で話していたけど、あまり気にしませんでした。
部屋へ帰り、その日の夜にホテル代金を支払おうと財布を開けると驚きました。
20ユーロ札が無い!
あっ1万円札も無い!
20ユーロ札1枚が無くなっている事に気付きました。
財布には、モロッコ・ディルハム以外に、ホテル代金としてお釣りが出ない様に計算したユーロ紙幣を準備していたので、発覚しました。
それだけでなく、エマージェンシー用に入れていた1万円札も無くなっている事に気付きました。
あ~やられちゃったぁ⤵
あの時だわ。
実は、サンセットを楽しもうと丘の頂上にある教会を目指して登っていたのだけど、途中でサンセットを迎えてしまい、教会に到着した時は既に日没後で薄暗い状態でした。
どんどん薄暗くなっていくので、頂上でゆっくりする間もなく丘を急ぎ足で下りました。
クタクタな状態で麓に戻った時には、暗くなっていました。
すぐに街中へ戻るべきだったのに、珍しさから欲張って立ち寄ってしまいました。
ここ(丘の麓にあった洗濯場)は、地元の人が主に利用する場所だったのに、流暢な英語で会話するムスリムである事自体がおかしい、と気付くべきでした。
私はDバックを背中に背負って撮影に応じていました。
異様に身体を寄せてきた事やシャッターをなかなか押さなかった事、全てに違和感を感じはしていたいけど、何もせずに流していました。
普段なら、怪しいと気付くのに十分なシチュエーションなのに、あの時は歩き疲れてクタクタだった上、周りが暗くて注意散漫となり、気が抜けていました。
1度目の写真撮影の時には20ユーロ札を抜いたのだろうけど、私が自分のカメラでもと言った為に、日本円まで抜かれてしまう事になったのです。
別れ際に「日本円まで手に入れた」とほくそ笑んでいたのでしょう。
因みに、警察へ届けるつもりでシェフシャウエンのバスターミナルにあった派出署へ行ったのだけど、田舎なのでアラビア語かフランス語のみの対応でした。
女性二人組に、お金をすられたんです。
写真のこの女性、スリなんです!(in English)
いい写真だね!(in French)
一生懸命写真を見せながら、英語で訴えたのだけど、「いい写真だね!」なんて言われる始末。
どうにもなりませんでした。
その日はモロッコの首都であるカサブランカへの移動日だったので、到着したら都会の警察署へ行くつもりでした。
しかし、バスが大幅遅延した為に疲れ切ってしまい、結局行かずに終わりました。
- 疲労困憊なのを自覚していたのに、欲張って観光を続行した
- 日没後の暗い場所=危ない所 という意識が欠如していた
- 違和感を感じていたのに、抗う気力がなく、流してしまった
- 鞄から目を放して(Dバックを背負ったまま)撮影に応じた
もうお分かりですね。
今回の出来事の原因は、私の行動にあります。
という事は
自分の行動によって回避する事もできる
のです。
- 疲れている様子(隙)を見せない
- 暗い所(見通しが悪い所)=危ない所 という意識で行動する
- 写真撮影の際は、カバンを前に抱える ( “スリ対策しているよ” アピール)
- 人が近くに居る時は、持ち物から目を放さない
- 相手の動きに違和感を感じたら、動きを遮ってでも持ち物を確認する
※ 観光地でも田舎であれば、警察で英語が通じない場合があります。
被害届を出す事も難しくなるので、この様な状況に陥らない為にも、気を付けましょう。
一緒に写真撮って!
海外旅行では、特に地方へ行った時などは、外国人が珍しくて写真を所望される事が多いです。
多くは、単に珍しくて写真に収めたい、という純粋な気持ちからだと思います。
しかし、都会で社会人(子供でも老人でもない人)に写真を所望されると、少し警戒して下さい。
カイロのとあるモスクを出た所で、20代位の男性に声をかけられ、写真を所望されました。
その直前、カップルのリクエストに応じて一緒に撮っていた手前、この人だけ断るのは悪いな、と思いました。
若い男性一人という違和感を感じながらも撮影に応じました。
するとその人はiPhoneを取り出し、私と並んで自撮りを始めました。
私の顔を正面・左斜め前・右斜め前・少し上・少し下と5回もアングルを変え、パシャパシャ撮って、一瞬で去って行きました。
ほんの数秒の事で、何が起こったのかすぐには理解できませんでした。
数秒呆然とした後に気付きました。
あの人、追いかけなきゃ!
追いかけたけど、既に逃げた後。どこにも見当たりませんでした。
カイロで働く一般の若い男性が、iPhoneの様な高級品を手にしている事自体、おかしいです。
その違和感を感じてはいたのだけど、わざわざサングラスを外して撮影に応じています。
高感度カメラで、虹彩も盗まれたのかなぁ。犯罪の匂いがプンプンしませんか?
この時も、暑さと歩き疲れで気が抜けている時でした。
やはり、どんな時も油断は犯罪者にバレバレなんです。
近付いて付きまとう人は相手にしない で紹介した注意点を何一つ守られていませんね。
お恥ずかしい限りです。
気を引き締めて観光を楽しみましょう。
交通機関でのトラブル
タクシートラブル リゾート編
チュニジアの中部、欧米人に人気のリゾート地であるポート・エル・カンタウイで、車で15分程度の街スースまで、遊園地にある様な観光列車に乗るつもりで待っていました。
しかし、30分経っても来ないし、私より先に待っていた家族は50分待っていると言っていました。
観光列車を諦めて路線バスで行く事にし、バス停を目指して歩いていました。
すると、タクシーが近付いて来ました。
バスはいつ来るか分からないよ。
スースまでならタクシーに乗りな!
メーターで行く?
もちろん!メータータクシーだよ。
ドライバは、タクシーメーターを指差して言います。
この時も待ち疲れと時間の節約も頭に浮かび、そのタクシーに乗りました。
そのタクシー、メーターはついているけど、その上がり方が異様に早いんです。
これはおかしい、と思い、メーターの動画を撮り始めました。
目的地に着いた時の料金は、普段の5倍以上。
明らかにおかしいので、動画を見せながら言いました。
このメーター細工してるでしょ!
警察にこの動画持って行って、対処して貰うから!
分かったよ。幾らなら払う?
結局、私の言い値(ホテルで教わった観光客価格)を払いました。
ちぇっ
観光客なんだから、それ(メーターの価格)位払えるだろ!
との捨て台詞と共にそのタクシーは去って行きました。
タクシートラブル 都会編
エジプトのカイロ観光でシタデルを訪れた後、徒歩約15分程の次の目的地に向かっていました。
しかし、歩道は私の行きたい方には伸びておらず、車道だけになってしまいました。
どうしようか迷いながら、目的地と違う方向に延びている歩道を歩いていると、タクシーが近寄ってきました。
この先、観光客が行く様な所は無いよ。
何処に行くの?
私もこの先に目的地があるとは思えなかったので、ドライバーの言葉に納得しました。
そのタクシーがメーターで走るのを確認し、乗る事にしました。
この時は、グーグルマップで目的地を表示させながら車に乗っていたので、変な方向へ走っているとは分かっていたけど、カイロ市内は一方通行が多い為仕方ないのだ、と勝手に解釈していました。
その後、ワケの分からない所を数十分かけて走られて、流石におかしいと気付きました。
あなた、どこに向かってるの?
私の目的地は乗車位置から徒歩で15分の近場なのに、どうしてこんなに時間が掛かるの!
語気強めに言うと、ドライバーはあるモスクの前に車を止めました。
ここのモスクを観光しておいで。
終わったら別のモスクを案内してあげるよ。
はぁぁ?
冗談じゃないわよ。ここ、私の目的地と違うし。
もうあんたの車に乗っていたくない!降りるわ!!
メーターは、法外な料金を表示しています。
運良くそのモスクの入口に派出署があって、警官がいました。
車内から大声で警官を呼び寄せました。
Police!
I need a help!!
警官に事の成り行きを説明すると、この料金が不当である事に同意してくれました。
次にドライバーからも話を聞いた上で、落としどころを提案してきます。
メーターの額が高すぎるのは分かる。
でも、タクシーは君をここまで連れてきた。
だから、半額を払うのはどうだ?
冗談じゃない
そもそもここは、私が伝えた目的地ではない。
しかも、私の貴重な観光時間を数十分使って無駄に車を走らせた。
私は正規のメータータクシーで目的地に向かった際の料金(≒Uber料金+α)しか払うつもりはありません。
お札を握りしめて言います。
私が払う金額はこれ。
これでも十分すぎるわよ!
すると、ドライバーは怒鳴ってきます。
あんたはメータータクシーか確認して納得したから乗ったんだろ!
メーターの料金を払え!
ここで怯んでは「やっぱり日本人はチョロイよな!」と思われてしまいます。
私も負けずに語気強めで言います。
無駄に遠回りして目的地にも着いていないくせに!
このメーターだって改造メーターでしょ。
違法よ!!
警官を間に挟んで怒鳴り合い勃発!
ドライバーは、こんな「はした金」受け取るつもりはない、と私のお札を突き返してきます。
なので、要らないなら、お願いして迄受け取って貰うつもりはない!と言うつもりで口を開けた瞬間、警官が絶妙のタイミングで私の言葉を遮ります。
君はちょっと離れておいて。
そのお金は僕が預かる。
僕に任せて。
君はもう何も言わないで。
料金を払わないとなると、私は無賃乗車で罪に問われる事になるのでしょう。
それを避ける為に、再び警官はドライバーと話をします。
暫くして、ドライバーは納得した様子ではなかったけど、警官が私のお札をドライバーに押し付け、私に向かって言いました。
君はもうモスクに入って!
えっ?もういいの?
いいから行きなさい!早く!
強引にお金を押し付けられたドライバーは、仕方なくタクシーをUターンさせて、去って行きました。
もちろん、去り際にムカつく言葉を叫びながら。
結局、この時も私の言い値で済んだのだけど、貴重な観光時間を無駄にされて気分の悪い体験でした。
ほんと、ムカつくドライバーだわ!
不快な経験をさせて悪かったね。
でも、大部分の人は良い人だから。
モスク観光、楽しんで来て。
警官のオジサンが優しい言葉をかけてくれたので、少し心が静まりました。
実の所は…
ドライバーに法外な料金を要求された時から、怖くて脚がガタガタ震えていました。
それを隠すのに、必死で脚を踏ん張っていました。
ドライバーが頑なにお金を受け取るのを拒否していた間も、面倒な事になったらどうしよう…ととても不安でした。
そんな素振りがバレない様に、一生懸命虚勢を張っていたのです。
そう、私はただの小心者です。
タクシートラブル まとめ
いずれのドライバーも、私が疲れていて気が抜けていた隙を狙って近寄ってきているのです。
本当に、悪い人はターゲットの隙を見逃しません。
疲れすぎたら、カフェで休憩を取る等、無理せず常に周囲に気を配れる平常心を維持できる状態にしておきましょう。
- 近寄ってくるタクシーには乗らない ← 大前提!
- 隙を見せない
- メーターがおかしいと感じたら、動画を撮っておく
- 主張すべき所は主張する
空港でのトラブル
ロストラゲッジ
ロストラゲッジとは、受託手荷物(チェックインの際、航空会社に預けたスーツケース等)が、目的空港で受け取れない状態の事です。
多くの場合は、何かの原因で最終経由便に預けた荷物が積載されない為に起こるので、経由便利用での旅行では、発生する可能性はあります。
できたら遭遇したくないトラブルですが、遭遇する時はしてしまいます。
バゲッジクレーム(手荷物受取所)で自分の荷物が出て来なければ、呆然と立ち尽くしてしまいがちです。
しかし、自分の荷物が出てこないという事は、同じ空港で積載するハズの他の人の荷物も行方不明の可能性が大きいです。
すぐにカウンターは人だかりになってしまいます。
誰よりも早くバゲッジクレームカウンターへ行き、対応を仰ぎましょう。
これが、時間短縮の唯一の方法です。
バゲッジクレームでは、荷物が出てきた際の届け先を聞かれる事がほとんどです。
宿泊先のホテル名、住所、電話番号を提示できる様に、印刷していくか、スクリーンショットを撮っておくと便利です。
因みに、私はエア・カナダでバンクーバー乗り継ぎ、最終目的地トロントの便で、ロストラゲッジに遭遇しました。
この時は、スーツケースが手元に届くまで2日かかりました。
ロストラゲッジ対策として、1-2日分の身の回り品は、機内持ち込み手荷物に入れておく
この準備をしていたので、スーツケースが届くまでの間も余計な買い物に時間を取られる事なく、観光を開始できました。
一方、帰国便の際のロストラゲッジは、ラッキーなのです。
ロストラゲッジ・カウンターで手続きさえ行えば、大きなスーツケースを自宅まで届けて貰えるので、空港から楽に帰宅できますね。
まとめ
海外旅行で遭遇したトラブルについて、その内容・対処・経験から学んだ回避方法をご紹介しました。
旅のトラブルは無数にあるし、予期していない時に起こりがちです。
- 用も無く付きまとう人には、ハッキリ “NO” と言う
- 疲れている素振り(スキ)を見せない
- 暗い所(見通しが悪い所)=危険な所 と自覚して行動する
- 写真撮影を求める人には注意
- 近付いてくるタクシーには、絶対に乗らない
- タクシーメーターがおかしければ、動画を撮っておく
- ロストラゲッジの際は、早々に見切りを付けてカウンターに向かう
避けようのないトラブルもあるけど、多くの部分でトラブルに巻き込まれる原因は、自分の行動にあるという事を再認識しました。
この記事が、読んで頂いた皆様のお役に立てると嬉しいです。
ここまでお付き合い頂き、有難うございました!