ミコノス島のold portから22時台に出航するフェリーを予約していたのだけど、old portには四方を壁に囲まれた建物はなく、スタッフもおらず、海に向かって吹きっさらしのベンチにたった一人で3時間、遅延でいつ来るか分からないフェリーを待つという、心身ともに寒さと不安で縮こまる経験をしました。
ここまでの話は、こちらの記事をご覧下さい。
旅程
- day1 :出発
- day2 :アテネ泊
- day3 :【飛行機移動】サントリーニ島 フィラ泊
- day4 :サントリーニ島 -【高速艇移動】- ミコノス島(観光) – 【フェリー泊】(- アテネ着)
- day5 :アテネ泊
- day6 :帰国
この記事では、day5、6をまとめます。
EXPRESS PEGASUS の船内
日本でフェリーに乗り込む時って、車が乗船する入口とは別に人が船室へ向かう階段(飛行機のタラップの様なもの)があるのでそれが当たり前と思っていたけど、ギリシャというか、ヨーロッパ国際線フェリーでは、人と車は同じ所から乗船します。
真っ暗な埠頭に、直接船体のおしりに当たる部分のテッパンが降りてきて、そこを歩いて乗船します。
車が通れるのだから、人が通っても大丈夫なのは分かっているけど、すぐ横を見たら海面が見える所を歩くってスリルがありました。
フェリーの駐車場を通り、船室に入ると、船内はとても明るく暖かでした。
埠頭で凍え切った身体と心がじんわり溶けていくのを感じました。
フェリー内のフロントに、チケットを見せて
「船室とベッドを予約したのだけど、どこ?」
と聞くと、部屋まで案内してくれました。
女性専用2ベッド+シャワー(+トイレ?)部屋の1ベッドを予約していました。
誰もいないものと思っていたけど、部屋に入ると若いお母さんと3歳位の子供が一つのベッドに寝ていました。
深夜の突然の訪問者にお互い驚いたけど、軽い会釈だけ交わしました。
船室内は細長く、シャワー室・ベッド1・ベッド2という感じで縦に並んでいた気がします。
そして、先に寝ていた親子とはある程度離れていた気がするし、部屋が狭い気もしなかったので、2段ベッドが2台ある4ベッドの部屋だったかもしれません。
同室者が居る事を想定していなかったので貴重品が心配だったけど、シャワーを浴びる為にこのクラスの部屋を予約したのだから、ささっとシャワーを浴びる事にしました。
潮風で髪も身体もベタベタだったので、温かいお湯で身体をキレイにして心底さっぱりしました。
シャワーが終わると、すぐに就寝。
疲れていた事も理由の一つだけど、フェリーのベッドもゆっくり寝れます。
乗船時のトラブルは想定外だったけど、それがなければかなりいい感じの旅程だったと思います。
早朝のピレウス
早朝、まだ眠かったけどアテネのピレウス港に無事到着。
半分寝ぼけた状態で下船し、港の待合室の様な所で一息つきます。
流石に、ピレウス港はギリシャの首都アテネの最大の港湾なので、ちゃんとした建物があります。
但しとても広い港なので、乗船時は自分の船が何処に停泊するのか調べて行かないと、大変な事になります。
暫くゆっくりしていると、さっきまで下船した多くの人が居たのに、私一人になってしまいました。
マズイ!誰も居なくなった!!
港からホテルがあるシンタグマ広場へは、地下鉄が走っているので、それで移動する事にしていました。
地図も手には持っているけど、自分が港の何処にいるのかが分かりません。
「人について行けば、地下鉄の駅に着くだろう」
そう思っていたのに、ついていく人が居なくなっちゃいました。
外はまだ日の出前で真っ暗です。
仕方ないので、自力で歩いてみます。
まだ真っ暗な時間なのに、教会は信者を受け入れる準備は整っていました。
正直、地図を見ようとしても暗くて字が読めないし、ギリシャ語だから分からないし、距離はそんなにないけど、地下鉄の駅に到着するのに苦労しました。
たまに人を見かけて道を訪ねても、通勤途中の人なので「時間ないの!」と3人位に断られてしまいました。
ただ、人が向かってくる方向にはきっと駅があるだろうと予想し、その方向へ歩いて行くと、無事地下へ潜る階段を見つけられました。
駅に着けば、後は問題ありません。
トークン(切符の代わりになるプラスチック製のコインの様な形のもの)を購入し、シンタグマ広場までたどり着きました。
朝のシンタグマ広場
サントリーニ島へ行く前に宿泊したホテルに戻るだけなので、ここでは道に迷いません。
でも、こんなに早くホテルへ行ってもチェックインできないから、少しここで時間を潰す事にしました。
(今の私なら、アーリーチェックインができないかとりあえず相談するけど、一人旅初心者だった当時の私は、そんな事思いつきもしませんでした。)
サントリーニ島は犬と猫、ミコノス島は猫、そしてアテネは犬の街です。
犬といってもこのサイズ感 そしてこの犬密度。
基本、どの子も大人しいのだけど、観光客が食べ物をあげる素振りをすると、どこからともなくワヤワヤ集まってきて、囲まれてしまいます。
犬好きの私でも、このサイズの知らない犬10匹程に囲まれると、若干怖いかな。
向かいにある議会議事堂では、衛兵交代が始まりました。
8:30頃だったと思います。朝早くから、ご苦労様です。
近くのカフェでゆっくりカフェオレを頂き、ぼちぼちホテルへ向かいました。
10:00頃にホテルへ着いたけど、まだチェックインはできませんでした。
スーツケースを出して貰い、着替えをして観光へ出掛ける事にしました。
アテネ観光と言えば、パルテノン神殿
昨晩は、港で海風にさらされ凍えそうになっていたのに、日が高くなってくるとジリジリ暑くなってきました。
心地よい日陰を選んで歩きます。
パルテノン神殿へは地下鉄でも行けるけど、たった一駅の為に駅まで歩き、電車を待ってまた駅から歩く必要がある事を考えると、徒歩でも同じかな、と思い、徒歩で向かっています。
こんな街中の何でもない通りでも、顔を挙げると目の前が神殿の一角。
ワクワクします。
この時代は、労働者によるストが多く、パルテノン神殿も運が悪いと入れないかもしれない、という状況でしたが、私が行った時は大丈夫でした。
ゆっくり歩いて、25分程でチケットブースに到着しました。
10数人程の列の後ろに並び、チケットを購入。
パルテノン神殿単独のチケットはなく、周囲遺跡とのセット販売でした。
人が増える前、もっと気温が高くなる前に、パルテノン神殿を目指します。
パルテノン神殿は丘というか小山の上にあるので、しっかり歩ける靴で来る必要があります。
そして、いつも観光客がぎっしり詰めかけているので、混雑しています。
この城壁の上を目指します。
途中にあったディオニソス劇場1万5千人程を収容できる劇場だそうです。
このクオリティーで残っているのが凄い!
随分登ってきたのだけど、この世界遺産にも在住犬が居ます。
観光客だらけでうるさいのに、穏やかなワンちゃん2匹。
到着しました。アクロポリスのパルテノン神殿です!
う~ん、修復中であまり原型を留めていない。
でも、ここからもっと酷くなっていくんです。
数年後に来た時、もっと鉄骨だらけで柱の数も減ってスカスカになっていたのを覚えています。
修復、完了する日がくるのでしょうか?
裏側へ回ってきました。
あんな高い所で仕事をしています。
広いから、混雑ぶりが表現できないけど、一歩引くとこんな感じ。
眺望を楽しむ所では、この混雑。
エレクティオン神殿
これだけの高所で風よけが全くない場所なのに、よく残っているものです。
珍しく、屋根の残っている神殿です。
天井裏の様子が見えます。
アクロポリスを堪能したので、そろそろ麓に降ります。
まだアクロポリス敷地内だけど、さっき居た所があんなに遠くに見えます。
ホント、よく歩きます。
続いて、共通チケットで入れる古代アゴラを目指します。
アクロポリスを出て、徒歩数分で行けた気がします。
ここは、高低差は無いけどとにかく広い。一帯が遺跡だらけなんだけど、私の興味をそそるものはありませんでした。
早々に出てきて、ゼウス神殿に向かいます。
私は、こういう分かり易い建造物が好きです。
これ、よく見るゼウス神殿の様子ですが、実は角度を変えるとエライ事になっているのです。
反対側から見ると、こんな事になっています。
人間の眼って、事実の一部しか見えてないという事が良く分かります。
この後、プラカ地区で夕食を仕入れ、ホテルでゆっくり食事。
翌朝、空港バスで空港へ向かい、ドーハ経由で帰国しました。
はじめて自分で旅を組み立てました。
日本から出発する旅で、初めての一人旅。
この旅は、飛行機とアテネのホテルは旅行社のツアーとして申し込んだけど、島へのアクセスと島でのホテルは自分で手配する、という私の旅のスタイルの原型となる旅でした。
一番の目的、昔憧れたサントリーニ島では、到着直後に人間不信に陥るトラブルに見舞われたけど、島の素晴らしい景色のお陰で、ネガティブな気持ちは一蹴されました。
photobookで見たあの雰囲気の街を、実際に歩いて観て回り、掲載されていた写真以上に美しい街でまた来よう、と決めました。
ちょっと欲張ってミコノス島も立ち寄ってみたのだけど、こちらも可愛い街で良かったです。
ただ、船の移動は本当にトラブル満載でした。
アクセス方法として、悪い選択ではなかったけど、次考える時は、こういうトラブルも想定して対応を考えておこうと思います。
こうやって色々経験して学び、逞しくなっていくのですね。
この旅の始まりをまだ御覧になっていない方は、
こちらへ→ 初めてのサントリーニ島 ミコノス島 ここも見逃せない!
ここまでお付き合い頂き、有難うございました!